このことについて書いている人を見かけたことがなかったので、一応書いておこうと思います。
私たちは岸辺にいて、とあるビンを拾います。
そこには手紙が入っていて、書き出しはこうです。
「ある日それは何気なく、こんなふうに始まったのです」
そして結びは「今、最後の友達と一緒にいます。私は幸せでした」
劇場という岸辺にたどり着いたビン入りの手紙を私たちは読んでいるのです。
回路とは海路かもしれませんね。
劇中に出てくるPCにLANケーブルはつながっていませんでしたが、水を媒介にして、私たちはメッセージを受けとることができます。
ブラインドのヒモに絡んだコーラの空き瓶が、風に煽られてモールス信号を送る『渚にて』(1959年)の描写とイメージが重なるところがあります。
痕跡のようなものをよすがに私たちは過去と今をつないでいくしかない、みたいな。
過去書いた『回路』の記事を公開しました。