映画を書くと頭が疲れる

観るものです。

『ブレードランナー 2049』(2017年)感想・ネタバレ

監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ

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ムビチケを購入しておいたのですが、デッカードとKのバージョンがあって、一瞬迷ってデッカードのにしたんですよ。Kのこと知らないし、場合によっては何の思い入れも持てないキャラになるかもしれない、と思って…。

結果、Kにしとけばよかった!失敗した!と今、激しく後悔してます。

この映画をデジタル上映映画としてどう見せるのか、が一番の関心事だったのですが、Kに泣かされて、それどころではなくなってしまいました。

デジタル映像の特徴的なバグであるゴーストをストーリーの主軸に持ってきています。本編前のロゴのバグ演出や、ジョイが娼婦と重なって愛を実感するくだりなど、ストーリーの流れも分かりやすかったと思います。

前作の世界は、映写機上映の時代が終わったことで回転を止め、荒廃が進んでいます。今作では、その回転が止まった世界に、プロジェクターという幻灯機を用いたファンタスマゴリー(幽霊ショー)が投影されています。プロジェクションマッピングをイメージすると分かりやすいかもしれません。



総評としては、こちらを読んでいただければ間違いないかと。

小島秀夫が観た『ブレードランナー2049』ブレードランナーは“ユニバース”の夢を見るか?http://bunshun.jp/articles/-/4698

ただ、ネタバレは当然されていないので、以下に私のネタバレ感想を簡単に書いておきます。

「木彫りの馬の記憶を見て泣くアナ。木彫りの馬を炉に隠した子どもと目が合う記憶。」

映画終盤にある、上記の一連のフラッシュバックで、なぜKが命を懸けて戦うのかが示されています。
Kは、木彫りの馬の記憶が、誰の視点の記憶なのかに思い至り、その記憶を自分の記憶として持つ唯一の者として、家族のために戦う道を選びました。ゴーストとして生きる道を選んだのです。

映画のラストで、アナのいる施設に入る前に、デッカードがKに「お前は俺の何なんだ」的なことを聞くわけですが、黙っているKが切ない。「お前の死んだ息子だよ!」と代わりに言ってやりたい。

Kが倒れて眺める雪を、アナがドームの中に作り出して「綺麗でしょう?」と、デッカードに語りかけています。双子のユニゾンですかね。

アナの作り出す、まるで本物のような記憶には、Kが見る世界や、彼の生きた実感が含まれているのかもしれない、そして、その記憶が未来に継承されていくのかもしれない、と思わせてくれる希望の持てるラストでした。