映画を書くと頭が疲れる

観るものです。

『エクソダス:神と王』(2014年)感想・ネタバレ

アメリカ
監督:リドリー・スコット
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『プロメテウス』(2012年)は映画館で観ればよかったと後々後悔したので、リドリー・スコットの映画は映画館で。
3D吹替版を観賞してきました。
『十戒』(1956年)は観ていますが、派手に海が割れた場面以外忘れています。

上映時間が150分と、2時間を越えてきますが、長くは感じません。
こういうのを叙事詩的映画というのかどうかわかりませんが、もっと延々とモーゼが砂漠を歩く場面なんかがあってもいいと思いました。
題材のスケールの大小と、映画の上映時間の長短の適切な関係を思うに、この題材ならゆったり描いて正解でしょう。もっとゆったりしていてもいいです。
上映時間の体感があっという間であることが良いことのように言われていますが、忙しいのが煩わしい時もあったり、短いカットが3つぐらいで10人程敵が倒れているのを見るとうんざりします。文章でいうところの箇条書きのような表現は説明的で、こなしているだけで良い悪いの土俵にすら上がってないので観ていてつまらないです。

『インター・ステラー』(2014年)を観た時に、あれだけ長尺でありながらダイジェストを見ている感覚があり、もっとシンプルでいいんじゃない。と思ったんですが、相応に長くしたら、ずっと座ってるのしんどいとか前後編面倒くさいとか色々ありますよね。

エクソダス:神と王』は地味なんですけど、久々にゆっくり画面に集中出来ました。モーゼの奥さん可愛いなぁとか、馬小さ!とか思いながら観ました。入り組んだ話しも無く、忙しいカットもなく、説明的で退屈な場面もなく、やたら煩い音楽・効果音もなく、映画を観ていて煩わしいと思う要素が無い映画です。
興奮して人に勧めるような要素も無いんですが、こういう映画はありそうで中々無いです。

マイナスが無いことが良いことだ、と言わんばかりというか言ってますが、特筆すべき場面はあります。
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この映画は人がいっぱい死ぬんですが、月食の影が落ちると人(子供)が死ぬ、という一つだけ因果関係の不明な、不可解な死の場面があります。生から死へ至る瞬間の変化は極々僅かで、とても静か。あれほど静かに変化なく人が死ぬ場面は初めて見ました。影という目に見える死期が迫り、気がつくと音もなく人(子供)の生命は消えてしまう。
そして朝焼けの中、モーゼは多くの人々の嘆き叫ぶ声の渦に包まれます。
絶望というか諦念というか、そこからのモーゼの行動理由は、もう戻れない、になったのだと思います。奴隷解放でも約束の土地を目指すでもなく、もう戻れないから進む。不可解な死から追放され、言葉もなく進む。そして、ラムセスの直ぐ後ろにもどんどん死が迫って、彼もそこから逃れるように馬車を走らせますが、モーゼとラムセスが波にのまれ、モーゼが生者の元へ、ラムセスが死者の元へ流れ着いた場面により、ラムセスは死者だったのではないか、死者がモーゼを追っていたのではないかと思えてきます。
上映が終わって「トニー・スコットに捧ぐ」という文字が出た時に動揺してしまったは、よく知りもしないリドリー・スコットのバックグラウンドまで考えるのはよそう、と思っていたからです。
でも、それは難しいです。最後の場面で神の姿を探しながら進み続けるモーゼも、なにもかも。あの不可解な死から、悲しみは消えません。
思わぬところに文章が及んでしまいましたが、久々にゆっくり観れる映画でした。