映画を書くと頭が疲れる

観るものです。

『さらば、愛の言葉よ』(2014年)感想・ネタバレ

フランス
監督:ジャン=リュック・ゴダール
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中学生ぐらいの時に『気狂いピエロ』(1965年)を観たかもしれない。ぐらいの予備知識でゴダール観賞。
いつかまとめて観よう、レンタルで!と思っていたのですが、新作がまさかの3D映画で、これだけでも観に行かなければと思い、映画館へ。
レンタル(2D)で観ていたら、皮肉と感じたであろう場面もあり、映画館で観ているにも関わらず、日頃の行いを責められているようで辛くなったり、眠くなったりする映画でした。

今回は、これまた何の予備知識もない、日頃映画も然程観ない人を伴って観賞したのですが、幸い音楽に造詣が深い人だったので、観賞後目が合った瞬間にすかさず「ポストロック的なものだと思って貰えれば」という、フォローめいた事を(ゴダールに何の思い入れも無いのに)言ってしまったのですが、心配せずとも単純に楽しめたそうです。
今までの3D作品には無かった仕掛けがあって、3Dの表現域は確実に広げた作品だと思います。
思いついたことはやる。というシンプルな意欲に満ちていて、それだけでも、これでいいのだ。と思わせてくれる作品です。
常々、3D作品は地面に水平にカメラを固定してしまうと効果が薄れる、やっぱり宇宙物でないと地面感が邪魔をすると思っていたので、しょっぱなからカメラを斜めにして撮る、という単純な回答を示されたのには驚きました。これがまた結構効果的で、あぁ…斜めか、そうか。と、危うく納得しそうになりました。
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この映画を観て思い出したのは、フィオナ・タンの《ライズ・アンド・フォール》 (2009年 2チャンネル・HD インスタレーション)という作品です。
空間に大きな縦長の画面が2つ吊るされて、その左右の画面に若い女と年老いた女の様子が映し出され、時折2つの画面が1つの画面となって、流れ落ちる水の映像が差し込まれる作品なのですが、インスタレーション作品を観ていると、そこで流れているコンテンツよりハードとしての装置や空間を、より意識することがあるのですが、『さらば、愛の言葉よ』を観賞している時の感覚は、それに近いものがありました。
装置としての映画館の固有性について、映画を映画足らしめているものは何かということを、観ている間ずっと考えていたように思います。

内容を分かる範囲でお伝えしたいのですが、正直物語があったのかなかったのかすら分かっていません。
光と音と色と効果、の4つが一つの場面にバラバラに示されて(いるように見える)、それを結びつけようとしている間に別の場面がやってくる、という繰り返しでして、結びつけるのを諦めそうになると同時に眠くなる映画です。
たとえ分からなくても諦めず頭を動かし続けるか、寝るかです。

スクリーンに鉄格子、左右の目に違う映像が映し出される、なども驚くべき表現なのですが、スクリーンいっぱいの鏡に男女の交わりが映し出される場面が一番印象的でした。スクリーンに映る鏡に映る存在は、一体どこに存在するのか、何度見ても映画の中の鏡の表現は不思議です。
3D関係なくなってしまってますが、この映画は是非3Dで観ましょう。