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映画を書くと頭が疲れる

観るものです。

『悪魔の起源-ジン-』(2013)について ネタバレ感想

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監督:トビー・フーパー

この映画を見て思い出したのが、この映画と同じ年に公開された『リアル~完全なる首長竜の日~』(2013)黒沢清監督作品です。
同時期に発表された2つの映画には、とてもよく似た霧が登場しています。
両作品ともに、意識や記憶の中の限定的な過去(タイムマシンで訪れるような過去世界そのものではない)へ赴いていく話しになっています。
その際に、まず意識や記憶の世界に入っていくことをどう見せるかという課題に対して、『リアル』ではセンシングという医療技術装置を用いており、『悪魔の起源-ジン-』では、車でトンネルをくぐるという描写を用いて表しています。
そして、その意識や記憶の世界の中で過去に遡ることをどう見せるかという課題に対して、霧の中を抜けるという共通の描写を用いています。

『悪魔の起源-ジン-』は、トビー・フーパー黒沢清の映画を相当意識して作っていると感じました。風の使い方なんて黒沢映画そのものです。Jホラーの様だ、と評されている映画紹介記事を読みましたが、黒沢清のようだ、が正しい表現です。黒沢清トビー・フーパーが好きで観てきているようですが、トビー・フーパー側からこのような作品が出てくるとは思いませんでした。その上、驚くべきシンクロ率です。
でも、トビー・フーパーのここ最近の作品は見ていないので、ここへ来て始めてというわけでもないのかもしれません。どうなのでしょうか。気になるところですが、今のところ見る術が無さそうです。
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色々書きましたが、この映画には固定ショットで凄く怖くて面白い場面があって必見です。
この映画を今後観るつもりでいる方はこの先を読まない方が楽しめると思います。

神様に祈りを捧げる登場人物に、天井を這って左側奥から悪魔が近づいて来くるのですが(画面手前にいる登場人物は気づいていない)、寸でのところで右側から悪魔が出てきて、登場人物はそちらに気づいて驚きます。よくある、登場人物に危機が迫っているのに当人は気づいておらず、観ている者がもう駄目だと思うギリギリのところで誰かが現れたり、声を掛けられることで恐怖や危険を回避する、という場面なのですが、私も観ていて条件反射でホッとしてしまったわけですが、結局悪魔が出てきているのです。恐怖や危険は回避されていないのです。今まで恐怖や危険を回避したからホッとするものだとばかり思っていたのですが、映像を用いて引き起こす緊張の緩和によりホッとしているだけだと気づきました。
あのギリギリの状態の後なら何が出てきてもホッとしたのではないだろうか、と思うのです。
こう書いてしまうと、それが常識のような気がして、気づいていなかったのは自分だけのような間抜けな気分になるのですが、驚いたので書き記しておきます。

まとまりの無い文になってしまいましたが、この映画について断片でも書いておきたかったので良しとします。