映画を書くと頭が疲れる

観るものです。

『ディープ・インパクト』(1998年)について

監督:ミミ・レダー

ブログタイトルを見ると察しがつくかと思いますが、このブログはスピルバーグの映画について何かしら書いてみようと思い立ち上げましたが、思うように書けないでいます。
スピルバーグ監督映画には繰り返し用いられるテーマやモチーフ、表現方法などがいくつもあって、数ある作品の中から一作品を取り上げて語る事が非常に困難なのです。というわけで監督作を遡ってみたり、同じ作品を繰り返し見たり、書籍に当たったりしてみてはいるのですがいまだに何も書けないでいます。実際は、映画『A.I.』(2001年)を見直した後、ここで書いているような感想を簡単にまとめようと思ったら全然出来ず、掘り下げていたら深みにはまった次第です。何かしらスピルバーグについて書きたいけれど書けないかもしれないと思ったので、ブログを立ち上げて意識するようにしてみました。ですが、今のところ全然関係のない作品についてばかり書いてしまっています。

なぜこのような前置きかといいますと『ディープ・インパクト』の製作総指揮がスピルバーグなのです。やっとブログにスピルバーグが関わった映画が登場するわけです。とはいえ製作総指揮なので、そこそこ気楽に観れると思っていたのですが、「目が見えなくなる」といったスピルバーグ監督作品に繰り返し登場するモチーフ(宇宙空間で船外作業中に宇宙飛行士が目を負傷する)や、その宇宙飛行士が眠れずに横たわるベッドの傍らで、年配の宇宙飛行士が『白鯨』を読んで聞かせる場面(『A.I.』の冒頭でモニカが冷凍睡眠状態で横たわる息子に『ロビンフッドの冒険』を読み聞かせる場面に酷似)などが出てきて、もう製作に何らかのかたちで関わった作品は全部観ないといけないのではないか、という気分になっています。
スピルバーグ作品を見直して、それらについて書かれた評論なりを複数冊読めば終わるだろうと簡単に考えていたのですが、驚く程スピルバーグ作品について書かれた本がありません。探したのですが、2000年以降の作品にも触れていて、丸々スピルバーグを扱っているのは書籍で一冊(『スティーブン・スピルバーグ論』南波克行・編著、執筆者他2013年)、ムック本2冊(『ユリイカ2008年7月号 特集=スピルバーグ 映画の冒険はつづく』『スピルバーグ―宇宙と戦争の間 (Bamboo mook―クリエイターズ・ファイル)』2005年)しかないのです。
少な過ぎませんか。

というわけで、『ディープ・インパクト』です。
スピルバーグ製作総指揮は関係無しに、たまたまテレビでこの映画のある場面が流れまして、それが凄く良かったので観ました。
少年がバイクに乗って、荒廃した住宅街へ走り出す場面です。全編通して観てもこの場面は良かったです。何が良いと説明するのは難しいのですが、この場面は見ただけで、何かあったんだな、そして何かしようとしているんだな、というのが分かります。
また、これほどバイクがはまった場面もないです。
この場面を本編の流れで観ると、まだ青年と呼ぶには幼さの残るリオがバイクに乗る事が、そのまま人類滅亡(死)という現実と向き合う行為のように見えてきます。現実が見えていなかったり、純粋だったりすると、この場面での乗り物は自転車になっていると思うのです。リオは人類滅亡の危機に直面したことで大人になり、本気で抗おうとしてバイクに乗るんだな、と思うわけです。リオが走り去っていく時の画面の構図も見送るようで良いです。

長くなったのでこのへんで。