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映画を書くと頭が疲れる

観るものです。

『オンリー・ゴッド』ネタバレ感想

『ドライヴ』コンビの熱狂再び(byチラシ)
とのことですが、『ドライヴ』見てない。
オンリー・ゴッド』単発でも熱狂できるのだろうか。『ドライヴ』見といたほうが良いのかしら?などと迷いつつも『ドライヴ』は未見のまま鑑賞。
映画館では、鑑賞途中で退席する人、エンドロール中にも画はあるのですが、そこは見ずに出て行く人結構いました。
以下ネタバレ。



















でも『ヴァルハラ・ライジング』は見ています。
ネタバレといっても、ヴァルハラもそうなんだけど、レフン監督の映画は何がネタバレなのかよくわかりませんね。
ストーリー自体はシンプルなんだけど、夢か現か分からない挿入が多くて幻惑されます。
今日見てすぐ感想を書くのも辛いのですが、初見の感想も記しておきたいので書いときます。


主人公ジュリアンは罪を逃れて(映画の後半で分かる)タイのバンコクに居るわけですが、家族が経営する闘技場で働いています。家族経営の職場の次男ですよ。流れ流れて流されて、どうしたいとか何がしたいがないと家族経営に収まっちゃいますよね。もちろん映画の話です。
初っ端から凄惨な場面の多い映画ですが、気になるのは美術やライトが赤くて、血が良く分からない。または画面が青っぽくて血が分からない。という場面が連続するところです。
全てがジュリアンの視点ではないのですが、この血を血だぞ、とは見せない画面作りは、そのままジュリアンの罪の概念に直結してるように感じました。全てが罪で穢れて見える。か、罪がよく分からない感じ。
このジュリアンと対照的に描かれるのが元警察官、復讐の天使チャンです。
この人、何が罪か分かっています。そして罪に迷う人々をバッタバッタと裁いていくんですよ。
武器というのは審判者が持ってこそですね。
またこれがそれらしいやつ持ってます。というか背中に仕込んでます。
そして、裁いては歌い。歌っては裁き。
なにこれ…、みたいな雰囲気は確かに映画館に漂ってました。
2度目の歌では後ろの席の人どよめいてました。
でも、30分のヒーローものの特撮かなんかだと思うと、裁いた後歌が流れますから、そんな妙な話でもないのかもしれない。見ている時は葬送の場面なのかな、と思いましたが。聞いている人たちも神妙な感じです。

このチャンと主人公ジュリアンは対決を迫られるわけですが、そうと見せかけてジュリアンに絡まっている罪の鎖をチャンが切っていっているような話になってます。
ジュリアンに絡まった鎖、それもぶっとい鎖は何といっても彼の母親ジェナです。犯罪一家に生まれついた善人であろうジュリアンの混沌の象徴です。
左右対称のセットの中(テーブルの上のグラスは完全に左右対称ではない)にドーンといる様なんて絶対的な存在です。といわんばかり。
アメリカから息子を訪ねてきて、久々の対面の場所が息子の寝室。それもベッドに腰掛けてくねってますからジュリアンにとっては母であり、女であり、なんでしょうね。ジュリアンの内世界のどんだけを持っていっているのでしょうか。恐ろしい存在ですね。

このジェナとチャンの対決の場面はやはり見ていて心躍りました。
チャンさん、やっちゃって下さい。と思っていると背中からシャキーンですよ。
寡黙なチャンと饒舌なジェナ。
しゃべらないほうが強い。レフン監督の映画を見て今のところ分かっているのはそこです。

その後、色々あってジュリアンがチャンの武器(審判の武器)を持ってジェナのもとを訪れるのですが、もちろん死んでます。でも腹を切って手を入れるんですね。そこには罪の始まりがあるのか、運命の鎖のもとがあるのか分からないですが、説明できないところを行動で明らかに見せてくるこの場面が、抽象的であり即物的でもあり、感動しました。

ラストはチャンが歌ってるので、ジュリアンは裁かれたと解釈してます。
そして世界は混沌から秩序を取り戻した。のですかね。
チャンの裁きは絶対なので、ジュリアンが望む審判が下されたんだと思います。