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映画を書くと頭が疲れる

観るものです。

『ポゼッション』(2012)

映画において、少女と怪異てのは性的な隠喩を持つことが多々ある。
この映画もそう。
箱は秘密やトラウマであり、悪魔はその秘密、トラウマそのものだろう。

以外ネタバレ









この映画のレビューでは、良くある感じ、古典的という文字が多く見受けられた。
少女における性的な問題を、ホラーというジャンルは過去にも沢山扱ってきた。そういう意味では、この映画は良くある古典的な表現だと言える。ストーリーも映像にも目新しさはない。
でも、多くのレビューでは、この手の映画が少女の性の問題を扱っていることに自覚的だとは読めない。
そろそろ自覚してもいいんじゃないだろうか。鑑賞者が自覚するまで、何度も同じ事を言うように、何度も同じ映画が作られるのだろうか。

エミリーは母親の恋人の歯科医に性的な虐待を受けている。彼女は箱を空けるまで、歯科医とは良好な関係に見えるような振る舞いをしていた。
箱を空けてから、歯科医にあからさまな敵意を向けるし、最期には歯を抜く。食べれなくするのだ。そして、それ以降歯科医は映画に登場しない。

悪魔がMRIに映る場面がある。
エミリーの体内にいる悪魔の姿が映し出され、母親と姉が絶叫するわけだけど、悪魔の存在を信じている人ならいざ知らず、この場合、胎児が映ったと考えるのが妥当だと感じる。
幼い娘・妹の体内に胎児がいたら、そりゃ絶叫すると思う。

まだまだあるが、以上の2つの場面だけでも、この映画がどういった問題を描いているのかは明らかだと思ってしまうんだけど、そのような感想は見受けられない。
あれがそれで、それがあれだったら何なんだ。隠喩があろうとなかろうと、つまんないものはつまんない。と思うものかもしれないが、この映画が性的な問題を仄めかしながらも従来あるようなエロティックな表現をしてみせること無く、世間に簡単には問うことのできない問題を、バラバラになった家族が乗り越える様を描いてるところは、ちょっと新しいし、何だか人道的で今日的。ぐらいの感想だって、あっても良いと思う。
この映画に、特に思い入れもないのに人様のレビューを読んで勢いで書いてしまった。