映画を書くと頭が疲れる

観るものです。

『運び屋』(2018年)感想・ネタバレ

監督:クリント・イーストウッド 『グラン・トリノ』(2008年)の時も思ったのですが、ニック・シェンクの脚本は本筋以外のフックが強くて、観た直後は少し混乱してしまうのですが、今回は2日ほど経過したところで、なんとなく感想がまとまってきました。 感…

『マングラー』(1995年)感想・ネタバレ

監督:トビー・フーパー 『ペンタゴン・ペーパーズ』(2017年)の輪転機ならぬ洗濯プレス機の登場に笑ってしまいました。 先に観ておきたかったな。 ペンタゴンでも輪転機が動き出した瞬間に、絶対強い。と思ったけど、同時にフィルム映画を力強く称揚する姿…

『AKIRA』(1988年)感想・ネタバレ

監督:大友克洋2018年の年末ということで、『AKIRA』を久しぶりに観ました。 来るべき2019年。ネオ東京。ドーン。 前々から思っていたのですが、金田って何者なんでしょうか。 金田は主人公なので、あらゆる場面に登場して行動を起こしますが、彼の行動によ…

『恐怖の報酬』(1977年)感想・ネタバレ

監督:ウィリアム・フリードキン 暴走列車ものもそうですが、ニトロをトラック輸送となると広義の意味でアクション映画だと思うのですが、フリードキン監督はアクションが撮れないですね。『エクソシスト』(1973年)のショットが、決まってるけど静的なもの…

『恐怖の報酬』(1953年)感想・ネタバレ

監督:アンリ=ジョルジュ・クルーゾー 前回の『エクソシスト』(1973年)を観た後に、フリードキン監督の他作品も観てみようと思ってフィルモグラフィを眺めていたら、『恐怖の報酬』という面白そうなタイトルが目に止まり、あらすじを読んだら、「男たちが…

『エクソシスト』(1973年)感想・ネタバレ

この記事は、『エクソシスト/ディレクターズ・カット版』を見て書きました。監督:ウィリアム・フリードキン この映画には因果が描かれない。 物語は、偶然の一致で繋がっている。 超自然的な偶然の一致の数々を知るのは、登場人物の誰でもなく、鑑賞者であ…

『FEAR X フィアー・エックス』(2003年)感想・ネタバレ

監督:ニコラス・ウィンディング・レフン イーストウッド『ヒア アフター』(2010年)の、部屋で一人食事をするマッド・デイモンや、『ハドソン川の奇跡』(2016年)のホテルのベッドに腰かけて一点凝視しているアーロン・エッカードの、人に見られていない…

『フランティック』(1988年)感想・ネタバレ

監督:ロマン・ポランスキー スマホアプリ『ぴあ』で黒沢監督が、映画監督について話している記事があるのは知っていたのですが、ポランスキーについて話しているというのをTwitterで知り、気になったのでダウンロードして読みました。 そこで黒沢監督が、好…

『イット・フォローズ(It Follows)』(2014年)感想・ネタバレ

監督:デヴィッド・ロバート・ミッチェル 友人に勧められて観てみました。 そういえば話題になっていた気がする。繊細さの演出や繊細さを表したショットが、今どきというかありがちで、そんな悠長な事やってる時間は映画には無いぞと思うのですが、むしろそこ…

『回路』(2001年)枠と鏡のシステムと視線の行く先

監督:黒沢清 「ある日それは何気なく、こんなふうに始まったのです」映画冒頭のミチ(麻生久美子)のモノローグ。「こんなふうに」とは、彼女の同僚田口(水橋研二)の自殺を指している。田口の家の中に、黒沢監督映画に頻出する半透明のビニールの間仕切り…

『ゴーストライター』(2010年)感想・ネタバレ

監督:ロマン・ポランスキー 冒頭、連絡船が港に近づいて来るショットにやたら不穏な劇伴が重なっている。何がそんなに不穏なのかよく分からないまま観ていると船が着く。それから船員の誘導で船から波止場へ次々と車が出て行く。間も無く、そこに一台だけ動…

『ローズマリーの赤ちゃん』(1968年)を見ました。

監督:ロマン・ポランスキー 『ローズマリーの赤ちゃん』『ポランスキーの欲望の館』のネタバレあります。Amazonビデオで観た『ナインスゲート』(1999年)が初ポランスキーで、その後GYAO!で『ポランスキーの欲望の館』(1972年)を観て、それから少しずつ…

『エル ELLE』(2016年)感想・ネタバレ

監督:ポール・バーホーベン 劇場で予告を観て、レイプ犯が扉を開けて侵入してくるショットの、高い位置でほぼ平行に伸びる両腕が奇妙だなと思って、あんな風に真横に扉にぶら下がるみたいに扉を開ける両腕が伸びるものなのかなと、家でフュージョンみたいな…

『ゲティ家の身代金』(2017年)感想・ネタバレ

監督:リドリー・スコットお昼に観て、特に何を考えるでもなく、時々映画の場面をポツポツ思い起こしたりして、さぁ寝ようという時になって、アレがソレでソレがああでこうで、と頭に沸いてきて観念して書き始めました。今3:50。寝たい… 世界一の大富豪とい…

『ウンベルト・D』(1952年)感想・ネタバレ

監督:ヴィットリオ・デ・シーカ GYAO!の無料配信で『ウンベルトD』を見た。 ※無料配信は6/25まで 暗い話だ。 ウンベルト·D·フェラーリは、30年間公務員として真面目に勤め上げ、現在は年金暮らしである。しかし、受け取れる年金額は少なく、その半分以上が…

『レディ・プレイヤー1』(2018年)感想・ネタバレ

監督:スティーヴン・スピルバーグ 画像は『シャイニング』より 印象は全然違いますが、「みんなで人の内世界に入る」というとこだけで言うと、『インセプション』(2010年)っぽいです。『ミクロの決死圏』(1966年)でもいいんですが。『ペンタゴン・ペー…

『A.I.』(2001年)について

監督:スティーヴン・スピルバーグ 3千年紀の始まりに公開された、母の愛を求める少年型ロボットの冒険物語について、私はまだ何も理解していない。 この映画は、「ピノキオ」がストーリーの下敷きになっていると言われているが、それがカルロ・コッローディ…

『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』(2017年)感想・ネタバレ

監督:スティーヴン・スピルバーグ決断に迷い苦悩するキャサリン・グラハム(メリル・ストリープ)と、彼女を取り囲む男たちを収めた、まるで宗教画のように統制された構図のショット。路面の売店脇で強風の中横並びで新聞を捲る3人の男をコミカルに収めたポ…

『さらば、愛の言葉よ』3D(2014年)の、3Dメガネという視覚補正メガネについて

前回はお騒がせ致しました。 今回は映画の記事です。 監督:ジャン=リュック・ゴダール3Dメガネは、立体視できない映像を立体視させるためのメガネです。 私は視力がよくないので、映画はメガネをかけて見ています。なので、3D映画を見る時は、メガネをかけ…

【2018.04.03追記あり】ゲンロン 佐々木敦 批評再生塾における、渋革まろん氏の評論文盗用疑惑について

今回は映画の記事ではありません。 ネット上に、私のブログ記事からの盗用だと思われる文章を見つけたので、掲載元に問い合わせをした顛末についての報告記事です。前回の記事を書いている時に、震災と黒沢清映画について書いている文章を検索していて批評再…

東日本大震災の津波と黒沢清映画-『リアル~完全なる首長竜の日~』(2013年)、『岸辺の旅』(2015年)を見て-

2011年3月11日14時46分、職場で同僚に「めまいがする」と話していたら、少し離れた席の女性が、「私も何かくらくらします」と言ってきて、その後は多分「疲れてるんですかね」とかなんとか女性に言おうとしたような気がする。でもその前に無線が鳴って、上階…

『15時17分、パリ行き』(2018年)感想・ネタバレ

監督:クリント・イーストウッド公開2日前に、(新作はまた実話らしいし、実際の事件の確認でもしとくか)と、当時の事件のニュース記事と映画の宣伝記事を読んでいたら、「事件の当事者であるアンソニー・サドラー、アレク・スカラトス、スペンサー・ストー…

『ニーチェの馬』(2011年)感想・ネタバレ

監督:タル・ベーラショットが凡庸で退屈です。凡庸な映画をことさら貶める必要はないのかもしれませんが、芸術映画として評価されているのが信じられない。一日目のラストショットに、あの大仰な音楽が重なる意味が分からない。あのような状況で生活しながら…

『Virginia/ヴァージニア』(2011年)感想・ネタバレ

監督:フランシス・フォード・コッポラ ゴシック・ホラーという認識で見始めたのですが、冒頭のシークエンスに驚きました。 なぜなら、あまりにもありのままのデジタルビデオ映像だったからです。この映像の質感でゴシック・ホラーいけますか?というか、こ…

『カリスマ』(1999年)感想・ネタバレ

監督:黒沢清『サクリファイス』(1986年)に立てられた一本の木のモニュメントは、その後『ブレードランナー 2049』(2017年)で、核汚染地域のスティグマとして立てられた。 世界であり、歴史であり、中心である、特別なこの一本の木が「もう一本ある」映画…

『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』(2017年)感想・ネタバレ

監督:アレックス・カーツマンザクザク進む映画です。 冒頭の巨大な砂嵐に終始追われているかのようです。 この映画の後に続けて『キングコング: 髑髏島の巨神』(2017年)を観たのですが、髑髏島に着いてからの移動手段が歩きと分かった時の「歩きかぁ…」(…

『サクリファイス』(1986年)感想・ネタバレ

監督:アンドレイ・タルコフスキー 『ブレードランナー 2049』(2017年)について書かれた文章の中で、まるで一般教養であるかのごとく言及されているタルコフスキー監督の『サクリファイス』についてです。 その手の文章を読んでいる時点で、『惑星ソラリス…

『ブレードランナー 2049』(2017年)感想・ネタバレ

監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴムビチケを購入しておいたのですが、デッカードとKのバージョンがあって、一瞬迷ってデッカードのにしたんですよ。Kのこと知らないし、場合によっては何の思い入れも持てないキャラになるかもしれない、と思って…。結果、Kにしとけ…

『散歩する侵略者』(2017年)は、とてつもなくロマンチックな愛の映画かもしれない。

暢気にリュミエール関係の文章を読んでいて気がついた、『散歩する侵略者』(2017年)のことについてです。 まずは、以下の引用をお読み下さい。 CineMagaziNet! No.2(Last Update: June 29 1998) リュミエール兄弟のアルケオロジー 長谷正人より (視覚的) …

『リュミエール!』(2017年)を見た!

監督:ティエリー・フレモー『リュミエール!』を見ました! 感嘆符が相応しい映画です。私は子どもの頃、何か面白いものが見れないかなと思って、よく家のベランダに出て、外を長時間見ていました。『グラン・トリノ』(2008年)でポーチの椅子に腰掛けて外…