映画を書くと頭が疲れる

観るものです。

『サクリファイス』(1986年)感想・ネタバレ

監督:アンドレイ・タルコフスキー 『ブレードランナー 2049』(2017年)について書かれた文章の中で、まるで一般教養であるかのごとく言及されているタルコフスキー監督の『サクリファイス』についてです。 その手の文章を読んでいる時点で、『惑星ソラリス…

『ブレードランナー 2049』(2017年)感想・ネタバレ

監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴムビチケを購入しておいたのですが、デッカードとKのバージョンがあって、一瞬迷ってデッカードのにしたんですよ。Kのこと知らないし、場合によっては何の思い入れも持てないキャラになるかもしれない、と思って…。結果、Kにしとけ…

『散歩する侵略者』(2017年)は、とてつもなくロマンチックな愛の映画かもしれない。

暢気にリュミエール関係の文章を読んでいて気がついた、『散歩する侵略者』(2017年)のことについてです。 まずは、以下の引用をお読み下さい。 CineMagaziNet! No.2(Last Update: June 29 1998) リュミエール兄弟のアルケオロジー 長谷正人より (視覚的) …

『リュミエール!』(2017年)を見た!

監督:ティエリー・フレモー『リュミエール!』を見ました! 感嘆符が相応しい映画です。私は子どもの頃、何か面白いものが見れないかなと思って、よく家のベランダに出て、外を長時間見ていました。『グラン・トリノ』(2008年)でポーチの椅子に腰掛けて外…

『ブレードランナー』あらすじ・解説

監督:リドリー・スコット『ブレードランナー2049』(2017年)が間もなく公開されます。ということで、SF映画の金字塔『ブレードランナー』を見直してみようと思います。 はじめに この映画は、「リサーチ試写版(ワークプリント)1982年」「オリジナル劇場…

『東京物語』(1953年)を見てみた。

監督:小津安二郎 最近、神話系映画を立て続けに見ているので、少し気分を変えようと思い、『東京物語』を見てみました。神格化されている、と言っても過言ではない監督の代表作なので、どのタイミングでこの映画を見るかは、密かな課題だったのですが、努め…

『エイリアン:コヴェナント』(2017年)ラストの解釈について・ネタバレ

監督:リドリー・スコットこの映画が描く信仰について、時間をかけて理解を深めていこうと思っているのですが、その前に、物語のラストで舞台となった星を逃れ、宇宙船コヴェナント号に乗船したアンドロイドが、デヴィッド、ウォルターのどちらであったかに…

『散歩する侵略者』(2017年)の東出昌大さんについて

※以下の記事は、『クリーピー 偽りの隣人』(2016年)のネタバレを含みます。 ※ 画像は『予兆 散歩する侵略者』 出オチなのでしょうか?私はネタにマジになっているのでしょうか。いくつかレビューを読んでみましたが、東出さんの牧師役について、反応してい…

『エイリアン:コヴェナント』(2017年)感想・ネタバレ

監督:リドリー・スコットピエロ・デラ・フランチェスカ「キリスト降誕」 ミケランジェロのダビデ像 カルロ・ブガッティの玉座 リヒャルト・ワーグナー「ヴァルハラ城への神々の入場」(だめだ、覚えてられん。後はオタクに任せよう) ということで、初っ端…

『散歩する侵略者』(2017年)感想・ネタバレ

監督:黒沢清 ブログ記事が黒沢清監督作品ばかりになっています。新作は、出来れば公開中に書きたいと思い、気負って鑑賞に臨むのですが、そんな必要なかったです。 北朝鮮が電磁パルス攻撃を仕掛けてくるかもしれない、というニュースを見て家を出ました。M…

『ダゲレオタイプの女』(2016年)感想・ネタバレ

監督:黒沢清6月に精華大学で行なわれた黒沢清監督のトークイベントに行って来た。そこで黒沢監督が見せてくれた小津安二郎の『風の中の牝雞』(1948年)の一場面を見て、『ダゲレオタイプの女』を思い出した。 なので、何か書いておこうと思う。古い写真や…

『CURE』(1997年)を見直してみよう No.4 最後に高部はどうなったのか

黒沢清はイングマール・ベルイマンに似ているとよく思う。 黒沢清の著作物や、黒沢清について書かれた本の中で、ベルイマンについての記述を読んだ覚えはないが、(『恐怖の対談―映画のもっとこわい話』(青土社 2008年)で、テオ・アンゲロプロスがベルイマ…

『クリーピー 偽りの隣人』(2016年)について

監督:黒沢清 ネタバレあります。お正月休みに『ヴァンパイア/最期の聖戦』(1998年)を見ていて、『クリーピー 偽りの隣人』が吸血鬼映画だったことに遅ればせながら気づいたので書いておく。 以下は、『クリーピー 偽りの隣人』と吸血鬼映画の分かりやすい…

『ハドソン川の奇跡』(2016年)感想・ネタバレ

監督:クリント・イーストウッド冒頭、企業ロゴに重なる音。市街地で衝突する旅客機。そして恐怖に驚き目覚めるサリー。この時、サリーの瞳にだけ照明が当たり、他は影になってよく見えません。この場面と次のシャワーを浴びる場面は、目覚めた後にシャワー…

『BFG: ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』(2016年)感想・ネタバレ

監督:スティーヴン・スピルバーグ キャラクターや物語世界の説明に時間を使うつもりはない。観賞者にビジョンが残ればそれでいいんだ。 と、スピルバーグが言ったかどうかは不明ですが、そんな印象の映画です。 映画の中に有名なランドマークを登場させるこ…

『シン・ゴジラ』(2016年)感想・ネタバレ

監督:庵野秀明 なぜゴジラが日本に上陸したのか、映画の中では示されていない。この映画の中の日本は、過去に原爆は投下されたが、東日本大震災は起こっていないようだ。 ゴジラの発生も上陸も、登場人物には不可解な出来事だが、鑑賞者には心当たりがある。…

『黒衣の刺客』(2015年)感想・ネタバレ

監督:侯孝賢(ホウ・シャオシェン)この映画は、白黒のスタンダード、カラーのスタンダード、カラーのビスタビジョンという3つの画面フォーマットを使い分けています。白黒のスタンダートは過去を、カラーのスタンダードは現在を表し、カラーのビスタビジョ…

『オデッセイ』(2015年)感想・ネタバレ

監督:リドリー・スコット最近よく、「嵐がくる」という台詞を映画の中で耳にします。それは気象現象としての嵐の訪れや、事態の波乱の訪れを告げる台詞なのですが、「嵐がくる」という台詞の後に気象現象の嵐が劇中で起こっても、それはただ嵐が起こっただけ…

『ブリッジ・オブ・スパイ』(2015年)感想・ネタバレ

監督:スティーヴン・スピルバーグこの映画は、スパイものでも、男の友情ものでも、英雄ものでも、冷戦ものでもなく、言うなれば法ものです。今回も法ものなのです。この法の話を、スピルバーグは手をかえ品をかえ描き続けています。 その多くは、法のもとで…

『神々のたそがれ』(2013年)感想・ネタバレ

監督:アレクセイ・ゲルマンメタルなど、手数の多い激しめの音楽を聴いていると、決って快い睡魔に襲われるのですが、同じ現象が鑑賞中に起こりました。 映画を観ていて退屈で眠ってしまうということがそもそもなく、何をしていても眠ったであろう疲れた状態…

『雨月物語』(1953年)を観ました。

監督:溝口健二 初めて溝口健二監督の映画を観ました。 言い訳ではないのですが、子供の頃から集中すると音が聞こえなくなる質で、ついつい一番見やすい洋画の字幕版に流れていってしまって邦画を全然観ていないのです。黒沢清監督作品についてブログで記事…

『叫』(2006年)感想・ネタバレ

監督:黒沢清 黒沢清監督作品については色々とこのブログで書いていますが、『叫』は観ていませんでした。いいタイトルです。まるで名作古典映画のようです。 コンクリの壁から葉月里緒菜さんがコンニチハしている写真をどこかで見て、コメディなのかなと思…

時代が違えば映画監督だったかもしれない人 浮世絵師:小林清親(1847~1915年)

冐雪我軍援威海衛之堅壘図リュミエール兄弟により映画が発明される1895年以前に、映画のようなものを志向した人は世界中にいたのでしょうが、浮世絵師の小林清親はその一人だと勝手に思っています。アジア歴史資料センター・大英図書館共同インターネット特…

『絞殺魔』(1968年)憚られる映画

監督:リチャード・フライシャー 実際にあった事件(ボストン絞殺魔事件)をもとに、犯人逮捕から約3年後に封切られた映画です。女性ばかりを狙った猟奇的な絞殺事件がボストンで連続して起こり、刑事と検事が捜査をして犯人を捕まえるのですが、犯人は犯行…

『キングスマン』(2015年)感想・ネタバレ

監督:マシュー・ヴォーン 公開から間があいてしまいましたが鑑賞してきました。 大したネタバレ記事ではありません。ほとんど感想記事です。あらかじめアクションの舞台となる場所を幾つかのアングルで見せておいて、アクション場面では主体となる人物や視点…

『岸辺の旅』(2015年)優介の授業について

監督:黒沢清 前回の記事で書いた、この映画の波について、もう少し書きます。 映画を観てないとわからないと思います。優介は、とある村で授業をしています。それは、彼らを存在させている映画についての授業であり、映画という、彼らの世界についての授業で…

『岸辺の旅』(2015年)感想・ネタバレ

監督:黒沢清 私の中で黒沢監督は純然たるジャンル映画監督なんですが、いつか撮ってくれると思っていた出来事を、ジャンル映画で培った術を用いて真っ直ぐなドラマにしていて、やっぱり凄い監督です。 所々に出てくるカレンダーから、この旅が2014年の4月か…

『鑑定士と顔のない依頼人』(2013年)感想・ネタバレ

監督:ジュゼッペ・トルナトーレ クレアが何者なのかが分かるにつれ、組み立てられていくオートマタ。偽りの存在だったクレアと完成したオートマタ。オートマタは人の姿を模しているばかりか、繰り返される複製された声まで備えています。さらにクレアの偽り…

『セッション』(2014年)感想・ネタバレ

監督:デミアン・チャゼル 妄執というものは大概一人で抱えていて他人と共有出来ないものですが、この映画では運命的な出会いによって師匠と弟子が妄執を共有し、世界をよそに突っ走ります。このような場合に想定されるゴールは、世界が2人だけのものになる、…

『ピクセル』(2015年)感想・ネタバレ

監督:クリス・コロンバス TOHOシネマズ二条で一番大きな10番スクリーンで3D吹替版を鑑賞しました。 映画とは関係ありませんが、大体どこも大スクリーンはそうなのですが、光量が足りていません。音量は個人差あるかと思いますが、少し小さめです。以下ネタ…