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映画を書くと頭が疲れる

観るものです。

『CURE』(1997年)を見直してみよう No.4 最後に高部はどうなったのか

黒沢清はイングマール・ベルイマンに似ているとよく思う。 黒沢清の著作物や、黒沢清について書かれた本の中で、ベルイマンについての記述を読んだ覚えはないが、(『恐怖の対談―映画のもっとこわい話』(青土社 2008年)で、テオ・アンゲロプロスがベルイマ…

『クリーピー 偽りの隣人』(2016年)について

監督:黒沢清 ネタバレあります。お正月休みに『ヴァンパイア/最期の聖戦』(1998年)を見て、『クリーピー 偽りの隣人』が吸血鬼映画だったことに遅ればせながら気づいたので書いておく。 以下は、『クリーピー 偽りの隣人』と吸血鬼映画の分かりやすい類似…

『ハドソン川の奇跡』(2016年)感想・ネタバレ

監督:クリント・イーストウッド冒頭、企業ロゴに重なる音。市街地で衝突する旅客機。そして恐怖に驚き目覚めるサリー。この時、サリーの瞳にだけ照明が当たり、他は影になってよく見えません。この場面と次のシャワーを浴びる場面は、目覚めた後にシャワー…

『BFG: ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』(2016年)感想・ネタバレ

監督:スティーヴン・スピルバーグ キャラクターや物語世界の説明に時間を使うつもりはない。観賞者にビジョンが残ればそれでいいんだ。 と、スピルバーグが言ったかどうかは不明ですが、そんな印象の映画です。 映画の中に有名なランドマークを登場させるこ…

『シン・ゴジラ』(2016年)感想・ネタバレ

監督:庵野秀明 なぜゴジラが日本に上陸したのか、映画の中では示されていない。この映画の中の日本は、過去に原爆は投下されたが、東日本大震災は起こっていないようだ。 ゴジラの発生も上陸も、登場人物には不可解な出来事だが、鑑賞者には心当たりがある。…

『黒衣の刺客』(2015年)感想・ネタバレ

監督:侯孝賢(ホウ・シャオシェン)この映画は、白黒のスタンダード、カラーのスタンダード、カラーのビスタビジョンという3つの画面フォーマットを使い分けています。白黒のスタンダートは過去を、カラーのスタンダードは現在を表し、カラーのビスタビジョ…

『オデッセイ』(2015年)感想・ネタバレ

監督:リドリー・スコット最近よく、「嵐がくる」という台詞を映画の中で耳にします。それは気象現象としての嵐の訪れや、事態の波乱の訪れを告げる台詞なのですが、「嵐がくる」という台詞の後に気象現象の嵐が劇中で起こっても、それはただ嵐が起こっただけ…

『ブリッジ・オブ・スパイ』(2015年)感想・ネタバレ

監督:スティーヴン・スピルバーグこの映画は、スパイものでも、男の友情ものでも、英雄ものでも、冷戦ものでもなく、言うなれば法ものです。今回も法ものなのです。この法の話を、スピルバーグは手をかえ品をかえ描き続けています。 その多くは、法のもとで…

『神々のたそがれ』(2013年)感想・ネタバレ

監督:アレクセイ・ゲルマンメタルなど、手数の多い激しめの音楽を聴いていると、決って快い睡魔に襲われるのですが、同じ現象が鑑賞中に起こりました。 映画を観ていて退屈で眠ってしまうということがそもそもなく、何をしていても眠ったであろう疲れた状態…

『雨月物語』(1953年)を観ました。

監督:溝口健二 初めて溝口健二監督の映画を観ました。 言い訳ではないのですが、子供の頃から集中すると音が聞こえなくなる質で、ついつい一番見やすい洋画の字幕版に流れていってしまって邦画を全然観ていないのです。黒沢清監督作品についてブログで記事…

『叫』(2006年)感想・ネタバレ

監督:黒沢清 黒沢清監督作品については色々とこのブログで書いていますが、『叫』は観ていませんでした。いいタイトルです。まるで名作古典映画のようです。 コンクリの壁から葉月里緒菜さんがコンニチハしている写真をどこかで見て、コメディなのかなと思…

時代が違えば映画監督だったかもしれない人 浮世絵師:小林清親(1847~1915年)

冐雪我軍援威海衛之堅壘図リュミエール兄弟により映画が発明される1895年以前に、映画のようなものを志向した人は世界中にいたのでしょうが、浮世絵師の小林清親はその一人だと勝手に思っています。アジア歴史資料センター・大英図書館共同インターネット特…

『絞殺魔』(1968年)憚られる映画

監督:リチャード・フライシャー 実際にあった事件(ボストン絞殺魔事件)をもとに、犯人逮捕から約3年後に封切られた映画です。女性ばかりを狙った猟奇的な絞殺事件がボストンで連続して起こり、刑事と検事が捜査をして犯人を捕まえるのですが、犯人は犯行…

『キングスマン』(2015年)感想・ネタバレ

監督:マシュー・ヴォーン 公開から間があいてしまいましたが鑑賞してきました。 大したネタバレ記事ではありません。ほとんど感想記事です。あらかじめアクションの舞台となる場所を幾つかのアングルで見せておいて、アクション場面では主体となる人物や視点…

『岸辺の旅』(2015年)優介の授業について

監督:黒沢清 前回の記事で書いた、この映画の波について、もう少し書きます。 映画を観てないとわからないと思います。優介は、とある村で授業をしています。それは、彼らを存在させている映画についての授業であり、映画という、彼らの世界についての授業で…

『岸辺の旅』(2015年)感想・ネタバレ

監督:黒沢清 私の中で黒沢監督は純然たるジャンル映画監督なんですが、いつか撮ってくれると思っていた出来事を、ジャンル映画で培った術を用いて真っ直ぐなドラマにしていて、やっぱり凄い監督です。 所々に出てくるカレンダーから、この旅が2014年の4月か…

『鑑定士と顔のない依頼人』(2013年)感想・ネタバレ

監督:ジュゼッペ・トルナトーレ クレアが何者なのかが分かるにつれ、組み立てられていくオートマタ。偽りの存在だったクレアと完成したオートマタ。オートマタは人の姿を模しているばかりか、繰り返される複製された声まで備えています。さらにクレアの偽り…

『セッション』(2014年)感想・ネタバレ

監督:デミアン・チャゼル 妄執というものは大概一人で抱えていて他人と共有出来ないものですが、この映画では運命的な出会いによって師匠と弟子が妄執を共有し、世界をよそに突っ走ります。このような場合に想定されるゴールは、世界が2人だけのものになる、…

『ピクセル』(2015年)感想・ネタバレ

監督:クリス・コロンバス TOHOシネマズ二条で一番大きな10番スクリーンで3D吹替版を鑑賞しました。 映画とは関係ありませんが、大体どこも大スクリーンはそうなのですが、光量が足りていません。音量は個人差あるかと思いますが、少し小さめです。以下ネタ…

ヒーロー映画の予告編を見ました。

『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』(2016年)の予告編を見たのですが、黙示録を意識したようなショットが見受けられます。メシア 偽預言者 獣の像 獣の刻印 四騎士 最後の審判 大群衆 バットマン、スーパーマン、黙示録で検索したらコミック『…

『CURE』(1997年)を見直してみよう No.3 沢山の病院とタイトルCUREの意味

監督:黒沢清 CUREという言葉には、癒す・治療するなどの意味がある。 なぜ、この言葉が映画のタイトルになっているのだろうか。まずは、癒しや治療を担う機関である病院とCUREについて書いていきたい。 とにかく病院が良く出てくる映画である。 以下に、『CU…

『CURE』(1997年)を見直してみよう No.2 都市のランドマークと猿のミイラ

監督:黒沢清『CURE』のレビューを読んでいると、映画の雰囲気が前半部と後半部で違う、という印象を持った人が少なからずいることがわかる。 実際『CURE』の後半部は、前半部に比べ短いショットが多くなり、ショットや場面のつながりが分かり辛くなり、ロケ…

無駄迷路

『メイズ・ランナー』(2014年) 監督:ウェス・ボール この手の映画のジャンル名てなんていうんだろう、と調べたらソリッドシチュエーションスリラーと出てきて、前も調べていたことに気づく。全然覚えられないな。太秦映画村の立体迷路に行くか、メイズ・…

『CURE』(1997年)を見直してみよう No.1 間宮の催眠術とXの印

監督:黒沢清 前回の記事で、『CURE』について書かない、と書いたが書くことにする。 前回の記事以降も『CURE』について考えていたら、映画の中で描かれていることで、具体的に説明できる事柄がいくつかあることに気づいた。 具体的に理解したところで、映画…

『未知との遭遇』と『CURE』、そして『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』について

今、集中してスピルバーグ監督作品を観ているのですが、全監督作品観賞の道は険しいです。『1941』(1979年)や『カラー・パープル』(1985年)や『オールウェイズ』(1989年)あたりに手が伸びないです。逆に『未知との遭遇』(1977年)や『A.I.』(2001年…

『アメリカン・スナイパー』(2014年)感想・ネタバレ

アメリカ 監督:クリント・イーストウッド 休みなのに仕事の日の起床時間に目が覚めたため、その勢いでもって観賞。 予告がシリアスだったので、朝から観るのに躊躇いつつ、そこはイーストウッドだし、凄惨な状況でも淡々と見せてくれるだろう、ということで…

『エクソダス:神と王』(2014年)感想・ネタバレ

アメリカ 監督:リドリー・スコット 『プロメテウス』(2012年)は映画館で観ればよかったと後々後悔したので、リドリー・スコットの映画は映画館で。 3D吹替版を観賞してきました。 『十戒』(1956年)は観ていますが、派手に海が割れた場面以外忘れていま…

『さらば、愛の言葉よ』(2014年)感想・ネタバレ

フランス 監督:ジャン=リュック・ゴダール 中学生ぐらいの時に『気狂いピエロ』(1965年)を観たかもしれない。ぐらいの予備知識でゴダール観賞。 いつかまとめて観よう、レンタルで!と思っていたのですが、新作がまさかの3D映画で、これだけでも観に行か…

ネットで観れる読めるオススメ作品を紹介

正月休みに突入しました。 色々観てはいるのですが、ダラダラしてしまって書くところまでいきません。先日、国立国際美術館へ行き『フィオナ・タン まなざしの詩学』を見てきました。映画以外の映像作品をもっと見たくなったので、便利なインターネッツを使…

『ダークナイト ライジング』(2012年)感想・ネタバレ

監督:クリストファー・ノーラン アメリカ・イギリス共同製作映画 冒頭には、ベイン(トム・ハーディ)による飛行機ジャック。そして、ブルース・ウェイン(クリスチャン・ベール)の足の怪我。これは9.11以降の話なのだ、ということでしょうか。『ヒックと…

『気狂いピエロの決闘』(2010年)感想・ネタバレ

監督:アレックス・デ・ラ・イグレシア スペイン映画日本では、「三大映画祭週間」(カンヌ、ベルリン、べネチアという、世界最高峰の映画祭(三大映画祭)から選びぬかれた日本未公開作品を集めて公開する)で2012年に上映されたようです。11月公開の映画で…

『エリジウム』(2013年)について、感想・ネタバレ

監督:ニール・ブロムカンプ あらすじ西暦2154年。 大気汚染や人口増加が進行し、劣悪な環境となった地球。富める者は「エリジウム」と呼ばれる、アーマダイン社が設計・施工したスペースコロニーに居住し、ドロイドの奉仕を受け何不自由のない生活を送って…

『ミスティック・リバー』(2003年)について

監督:クリント・イーストウッド公開から10年以上が経ち、『ミスティック・リバー』を観ました。 良い評判は聞いていたのですが、暗そう、というのがズルズルと先延ばしにしていた大きな理由です。以下ネタバレします。冒頭からジミー(ショーン・ペン)の子…

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014年)ネタバレ感想

監督:ジェームズ・ガン 3D吹替版で観ました。 簡単なあらすじを映画記事冒頭に書くようにしていきたいのですが、何もこの映画から始めなくてもいいかな、と思いましたので辞めておきます。 始めに断っておきますが、この映画に散りばめられた小ネタに関する…

『悪魔の起源-ジン-』(2013)について ネタバレ感想

監督:トビー・フーパーこの映画を見て思い出したのが、この映画と同じ年に公開された『リアル~完全なる首長竜の日~』(2013)黒沢清監督作品です。 同時期に発表された2つの映画には、とてもよく似た霧が登場しています。 両作品ともに、意識や記憶の中の限…

『ディープ・インパクト』(1998年)について

監督:ミミ・レダーブログタイトルを見ると察しがつくかと思いますが、このブログはスピルバーグの映画について何かしら書いてみようと思い立ち上げましたが、思うように書けないでいます。 スピルバーグ監督映画には繰り返し用いられるテーマやモチーフ、表…

『イントゥ・ザ・ストーム』ネタバレ感想

2014年 監督スティーヴン・クォーレ 外出ついでに無理やり映画館へ行き鑑賞。 グランドホテル方式且つPOV方式のディザスタームービーです。(この文章ではPOV方式という言葉を、映画内世界で撮影された体の映像という意味で使用しています) 厳密には、登場…

映画『2012』(2009年)について

2009年製作 監督ローランド・エメリッヒ 上映中の『イントゥ・ザ・ストーム』が見たいのですが、映画館に行くという以前に家から出ない日々が続いています。 でも何かしらディザスター・ムービーが見たかったので、有名どころを見てみようということで『2012…

『借りぐらしのアリエッティ』(2010年)について

そもそも特に興味を持っておらず見るつもりもなかったのですが、金曜ロードショーでチラ見し、お盆休みで完全に忘れてしまったと思っていたのですが、昨晩ベッドの中で急にあれは無いんじゃないか?と、この映画に関してのダメ出しが始まって眠れなくなって…

『ホワイトハウス・ダウン』感想 ネタバレ

前回書いたので、『花に染む』はすっかり落ち着いてしまいました。 現代篇はまだ振りの段階ですね。 この過去篇を境に謎は回収されるのでしょうか。まだ分かりませんが。 とにかく気分が落ち着くと書くこともなくなるので、しばらく読み進めていこうと思いま…

くらもちふさこ『花に染む』4巻までの感想【ネタバレ】

映画の事を書くつもりでいたんだけど、それもすっかり滞り、今回は漫画です。 観たり、読んだりすると、その内容が頭から離れずグルグルしてしまう時があって、まさに今がそれなのです。 今レンタルで『ホワイトハウス・ダウン』を借りていて、早く観たい...…

『スノーピアサー』ネタバレ感想

以下ネタバレ。 これ、『エリジウム』見た人はどうなんだろう。見てないんですよね。 『エリジウム』は中国で2013年8月7日初公開 『スノーピアサー』は韓国で2013年8月1日初公開 みたいですね。 『スノーピアサー』一週間早かった!でも去年は『エンド・オブ…

『オンリー・ゴッド』ネタバレ感想

『ドライヴ』コンビの熱狂再び(byチラシ) とのことですが、『ドライヴ』見てない。 『オンリー・ゴッド』単発でも熱狂できるのだろうか。『ドライヴ』見といたほうが良いのかしら?などと迷いつつも『ドライヴ』は未見のまま鑑賞。 映画館では、鑑賞途中で…

『Seventh Code』ネタバレ感想

以下ネタバレ。 ネタバレ読まないで見たほうが面白い映画です。 アイドル映画ってどんなのだったかな、と。 擬似恋愛できたり、最近だったらドキュメンタリーぽいやつとか、そんなイメージなのですが、そのどれでもないです。手持ちカメラの映像で始まったの…

映画『エンダーのゲーム』ネタバレ感想

以下ネタバレ。 『エンダーのゲーム』(字幕)鑑賞。 原作読んでます。ネタバレって最後のアレに触れなかったらいいのだろうか。映画のネタバレの定義がよく分からない。映画は映画だと切り離して見ても、原作を読んでいると見ている端から情報が補足されて…

『ポゼッション』(2012)

映画において、少女と怪異てのは性的な隠喩を持つことが多々ある。 この映画もそう。 箱は秘密やトラウマであり、悪魔はその秘密、トラウマそのものだろう。以外ネタバレ この映画のレビューでは、良くある感じ、古典的という文字が多く見受けられた。 少女…

『ゼロ・グラビティ』気楽に感想ネタバレ

もうスピルバーグちゃう。『ゼロ・グラビティ』ブログや。ネタバレしてます。 今日は気楽に感想を。見ている間は、ずっとスペースデブリの到来を待ち望んでました。 ええ。 ISSがブワーッと崩壊していく場面だけで30分ぐらい見ていたい気分。 キタキタキタキ…

『ゼロ・グラビティ』鑑賞2回目感想ネタバレ

一日おいて、2回目の鑑賞。 同じく3D字幕で。 字幕だと、ほとんどの画面で字幕が一番手前に見えてスクリーンを意識してしまうので、吹替で見たかったんだけどタイミングが合わず。 小さいシアターになっても嫌だし、難しいところ。以下ネタバレしてます。 昨…

『ゼロ・グラビティ』ネタバレ感想2

以下は、鑑賞1回目の感想。 台詞も時系列も2回目の鑑賞で、違っていることに気づいたけど、概ねいまのところの感想と近いので、記録として残す。 劇中の“私は宗教を持っていない”という台詞について。 今日はこの台詞を足掛かりに、この映画が何を描いている…

『ゼロ・グラビティ』ネタバレ感想1

スピルバーグブログなのに... まいいや。ゼロ・グラビティ観てきた。宇宙行ったら人生観変わるなんて話しをよく聞くけど、こんな体験を宇宙飛行士はしてたんだな。というのは冗談で、無理矢理でも何でもなく未知との遭遇の話し。映像の素晴らしさは、もう...…